はじめに
2018年、西日本豪雨で長期の停電、関西空港では水害と停電発生。
2019 年、台風15号による千葉県を中心に長期間の停電
この数年は、災害に伴う停電の長期化がたびたび発生していますね。
住宅用太陽光発電の設置を検討されている方も多いようです。
10kw未満のいわゆる住宅用太陽光発電の固定買取制度は10年間です。
10年後の売電価格と選択肢、そして設置費用についてまとめてみます。
【きじ】
売電の仕組み
はじめに、住宅用太陽光発電の仕組みを見てみましょう。
・屋根に取り付けたパネル(モジュール)で発電された電気をパワーコンディショナー(パワコン)へ送る
・パワコンで直流電流から交流電流に変換する
・自宅で消費できない電力は電力会社に売電する
通常、このように屋根で発電して余った電力を電力会社に売り収入を得る事ができます。
10年間は決まった価格で電力会社が買い取る制度となっています。
2019年問題
電力の買取期間は10kW未満(住宅用太陽光発電)は10年間です。
住宅用太陽光発電の買取価格ですが
・2009年48円
・2018年26円(出力抑制なし)28円(出力抑制あり)
と年々安くなっています。
一方で建設費用も年々安くなっているため、コストパフォーマンスは同じくらいです。
2019年問題とは、
2009年11月に開始した買取制度(10年間は余った電気を買い取る制度)の方が、2019年11月には買取制度が終了する事です。
実際には11年目以降も売電はできます。
詳しくは、この後触れます。
10年後の価格比較
住宅用太陽光発電は、10年で電力の買取制度は終了します。
しかし電力業者(専門会社)と契約することで、引き続き売電収入を得ることは可能です。
早速、各社が提示している10年後の買取価格を比較していました。
東京電力エリアトップテン(2019年9月17日現在)
「スマートFIT」が一番高額で電力を買い取ってくれそうです。
「スマートFIT」「ENEOS」「東京ガス」は電力購入の条件はありません。
その他の会社はセット契約や特定のオーナー向けの設定となっています。
10年後は選択肢
固定買取制度が終了したあとの選択肢は2つ。
・自家消費
・自由契約(電気事業者へ販売)
・自家消費
電力会社への売電をやめ、発電した全ての電力を自宅で消費します。
太陽光発電は昼間だけですので、夜間はこれまで通り電力会社から電力を購入する事になります。
できるだけ電気を使う作業や充電を昼間にシフトする事で、電気代は助かると思われます。
太陽光発電の先進国のドイツの例をみています。
1998年に電力自由化を既に始めています。
2019年現在、ドイツの再生可能エネルギーの状況をみると、売電ではなく自家消費型が主流となっています。
電力会社へ売電するとオーナーの負担が増えていく事になり、
その結果、自家消費型へ移っています。
日本でも自家消費型が主流になると推測されます。
その場合、蓄電池を設置する事で昼間の余った電力を蓄電し、夜間使うことも可能となります。
蓄電池については、後ほど詳細に説明します。
・自由契約
10年後の買取価格については11円前後に落ち着きそうです。
自宅で使わない電力を新たに契約した電力会社(専門会社)と契約する事で、これまで通り、電力を売電することも可能です。
これから太陽光発電を設置される方は、今後10年の間に現在の買取価格も変わりますのでじっくりどちらを選択するか検討する時間があります。
停電時の活用
住宅用太陽光発電の10年後の選択肢についてはお話しした通りです。
住宅用太陽光発電は、停電時に非常に役立つ事がわかってきました。
台風15号で停電を経験された方は、
電気がなく、全ての情報が遮断された事が一番つらかった
とテレビ取材で話されています。
停電時はラジオ・インターネットやSNSで得る情報がとても重要になります。
住宅用太陽光発電は「自立運転機能」があります。
パワコンを「自立運転機能」に切り替えることで、太陽光発電の電力を全て自宅で消費する事が可能となります。
非常用コンセントからは最大1500Wの電力がえられます。
テレビ、スマホ充電、パソコンなど十分に賄え、電気の心配が無くなります。
太陽光発電の設置費用
家庭用太陽光発電の設置費用は、屋根の向きや角度などによって設置するシステムや設置可能なパネル数(容量)が違うため費用は一律ではありません。
一般的な目安は1kWあたり24万円〜35万円程度といわれています。
平均的な設置容量は3kw~5kwです。
5kWとすると、設置価格の目安は、120万〜175万円程度となります。
設置に使った投資費用ですが、約8年で回収できます。
儲ける事より、災害時を乗り切るための投資と考える方がよいですね。
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蓄電池の設置
完全に自家消費を目指す方は蓄電池が必要になります。
昼間使う電気は太陽光発電でつくった電気でまかない、余った電気は蓄電池に貯めて夜間使用することで
・電気を作る
・電気を蓄える
・電気を使う
つまり、電気の自給自足が可能となります。
停電時は、昼間はもとより夜間も蓄電池の電池を使いこれまで通りの生活ができるようになります。
停電の長期化が今後も起きる可能性は高そうです。
蓄電して電気を貯めておき、必要な時に電気機器に電気を供給することができる蓄電池も購入すべきかもしれません。
蓄電池を設置すれば次のよう生活が可能となります。
・7,2kwh(蓄電容量)
冷蔵庫や扇風機、テレビといった家電製品を最大で約12時間の電源供給が可能
・14kwh(蓄電容量)
フル充電で最大24時間電源供給が可能
主要メーカーの蓄電池価格(2019年9月現在)
わかる範囲で一覧にしてみました。
容量5kwで90万円、約8kwで160万円くらいのようです。
補助金が最大で60万円出るので最大100万円ほどの費用になりますね。
太陽光発電とあわせて購入を検討できるのではないでしょうか。
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