はじめに
2019年、セミリタイアしました。
自由と引き換えに
これまで会社が代わりに担ってくれていた様々な業務を自分で行い、またその恩恵を捨てる事になります。
例えば
・「年末調整手続き」を「確定申告」へ変更
・「社会保険」から「国民健康保険」へ変更
(2年間は「任意継続」可能)
・「厚生年金」を「国民年金」へ変更
(2階部分がなくなり、年金は減額)
不動産購入時に有利だったサラリーマンの”属性”を捨て、また行政手続きに加えお金の面でも自己負担額は大きくなります。
それでも・・・
サラリーマンの“ストレス”と起業(個人事業)する“自由”を天秤にかけて、私はセミリタイアを選択しました。
早期退職した際の
退職金にかかる税金、受給できる年金の減少額について説明しますので、
セミリタイアを考えている方は、是非参考にしてください。
【もくじ】
サラリーマンの恩恵
健康保険をつかっていると知らなかったことですが、
・傷病手当金が日給の85%まで支給
・出産育児一時金
・高額療養費
など、サラリーマンだったから助かっていた恩恵だったようです。
確かに個人事業の場合、自分は倒れたら収入は“0”ですからね。
自由と引き換えに”リスクを取る覚悟”が必要です。
また、定年退職と違い、セミリタイアの場合、60才までは自分で「国民年金」に入り、国民年金保険料の支払い続けなければなりません。
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退職金にかかる税金
退職金からは税金が取られます。
しっかり「所得税」及び「復興特別所得税」が取られます。
「復興特別所得税」は仕方ないと思いつつも、東電負担の増加や無駄な国会や地方議員の削減と不明瞭な経費の見える化などで経費見直しを徹底してほしいものです。
とにかく“取れるところから取れ=サラリーマンから搾取”
これがまかり通っているのは非常に残念です。
さて
「退職金」の手取りの計算は3つのステップです。
手取りの求め方
次のステップで計算できます。
①退職所得控除額
②退職所得金額
③所得税額
④住民税額・市町村民税
⑤退職金手取り額
39年勤務の場合
例「39年9ヶ月サラリーマンでやめ、退職金が3000万円の場合」
退職金の計算は次のようになります。
端数は切り上げのため計算上は40年となります。
◆退職所得金額(課税対象となる所得)
勤続年数 |
退職所得控除額 |
20年以下 |
40万円×勤続年数 |
20年超 |
800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
①退職所得控除額
上表の一番下に当てはめれば、税金の控除額が求められますね。
800万円+70万円×(勤続年数-20年)=
800万円+70万円×(40年―20年)=2200万円
退職所得控除額は2200万円
②退職所得金額
次に、税金の対象となる退職所得金額を求めます。
計算は次の式です。
(退職金の総額-退職所得控除額)×1/2=退職所得金額
(3000万円-2200万円)×1/2=400万円
課税対象となる
退職所得金額は400万円
③所得税額
ここから取られる税金の計算です。
所得税に”復興特別所得税(2.1%)”を含めて計算しましょう。
課税退職所得金額 |
税率 |
控除額 |
1,000円から1,949,000円まで |
5% |
0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで |
10% |
97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで |
20% |
427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで |
23% |
636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで |
33% |
1,536,000円 |
18,000,000円から 39,999,000円まで |
40% |
2,796,000円 |
40,000,000円以上 |
45% |
4,796,000円 |
上表の上から3つ目より、所得金額400万円にかかる税金は次の計算になります。
(400万円×20%―42万7500円)×102.1%
所得税額は37万2500円
④住民税額・市町村民税
退職金は「所得税」以外にこれらもしっかり取られます。
課税退職所得金額に対し、2つで10%取られます。
(市町村で少し差があるようですが、ざっくり計算)
400x0.1ですね
住民税・市町村民税は40万円
⑤退職金手取り額
結局手元に残る退職金は
3000万円‐(37万2500円+40万円)
手取りは2922万円
3000万円の「退職金」から約100万円が税金で取られます。
40年近く勤めれば、取られる税金は少ないと言う事ですね。
25年勤務の場合
上では、大企業で定年直前まで勤めた場合の「退職金」の手取りを計算してみました。
今度は現実的な”早期退職”のケースで計算してみましょう。
例「25年でサラリーマンでやめ、退職金が2000万円の場合」
①退職所得控除額
800万円+70万円×(勤続年数-20年)
800万円+70万円×(25年ー20年)=1150万円
退職所得控除額は1150万円
②退職所得金額
(2000万円-1150万円)×1/2=425万円
課税対象となる
退職所得金額は425万円
③所得税額
(425万円×20%―42万7500円)×102.1%
所得税額は42万2500円
所得税は39年勤務と同じくらい。
長年税金を納めてくれた人ほど、所得税は少なくなるシステムなんですね。
④住民税額・市町村民税
425x0.1で求めれますね。
住民税・市町村民税は42.5万円
⑤退職金手取り額
結局手元に残る退職金は
2000万円‐(42万2500円+42.5万円)
手取りは1915万2500円
2000万円の退職金から100万円とられるイメージです。
ご自身の勤務先の「退職金」と「勤務年数」から紹介した計算式で退職金の手取りを求めて見てくださいね。
国税庁Hpを参照しています。
(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/02_3.htm)
尚、「退職所得の受給に関する申告書」を退職時に出さないと上記の計算は適応されず、自分で確定申告する事になります。
(私の場合、退職手続き書類に会社側が「退職所得の受給に関する申告書」を準備してくれました)
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年金の減少
55歳(標準報酬月額50万円)でセミリタイアするケースで計算してみます。
年金定期便から60才まで年金保険料を支払えば、夫婦で270万円の年金予定とします。
・国民年金の支払い
サラリーマンを辞めても60才までは年金保険料を支払う事が義務づけられているため、支払う以外にないようです。
(収入がない、住民税を払えないなど無職の場合、「国民年金保険料免除」選択し、支払いは免除になります。でもその分年金は減額されます)
「国民年金保険料」も毎年上がっています。
令和2年度はの月の支払いは、
16,540円(年間≒20万円/人)
になります。
夫婦で 20万円/人x2=40万円/年を60歳まで支払うことになり、
総額は200万円となります。
国民年金を前納すると,支払いが減額されます。
金額的には大きいですが
私は2年分(80万円、結構高額)を前納し、約1カ月分(1.5万円ほど)の減額を選択しました。
・減少する年金額
年金定期便で確認する方法です。
計算は下記の通り(標準報酬月額は年金定期便に記載されています)
受け取る年金の年間減少額=
「標準報酬月額」x7.125/1000x60(55歳退職の場合、残り60ヶ月分)
標準報酬月額を50万円と仮定すると、
年間減少額は
50x7.125/1000x60=34.2
予定年金額を270万円だとすると
270万円-34万円=236万円
60歳までサラリーマンであれば「270万円」
55歳でセミリタイアすると「236万円」
厚生年金がいかに寄与しているかわかりますね。
経済次第で更に減少するかもしれません。
予定年金額や標準報酬月額は各自違いますが、上記の式に入れ込めば簡単に求められますので、試してみてください。
おわりに
・退職金から引かれる「税金」は、勤労年数が長いほど少なくなる
・退職手続時に年金を「厚生年金」から「国民年金」に切り替える
・「退職所得の受給に関する申告書」を退職日までに会社へ提出する
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