はじめに
不動産を購入すると、税務署等に”開業届”をだす必要があります。
でも、何を書くのか、どのタイミングでどこに出せばよいかは誰もおしえてくれません。
税務署に電話するなど自分なりにいろいろ調査し、不動産購入に関する2つの開業届を含め全ての届け出を提出できました。
開業届に関する書類の種類と書き方、そしてそのタイミングについてご紹介いたします。この内容を把握すれば、あとは不動産の購入に集中できますよ。
【もくじ】
|最低限必要な書類(開業届含)
不動産購入時は、税務署と県税事務所の2か所に複数の開業届の書類を提出する必要があります。
開業後は下記に示した①と②の書類を提出できれば、まずは事業の開始としては問題なしとなります。
いわゆる開業届とは、
①個人事業税の事業開始等申告書
②個人事業の開業届出書
の2つを示します。
私の場合は、不動産としてアパートと低圧太陽光発電を経営しているので、「消費税還付」を受けるための書類も提出しました。
|開業届関連書類と提出のタイミング
管轄の税事務所毎で書類を呼び名が違います。
下記①、②が必須です。③、④は該当する方だけの書類です。
①個人事業税の事業開始等申告書
提出タイミング:
開業から15日内に県税事務所へ提出する必要があります。事業税に係る届出
②個人事業の開業届出書
提出タイミング:
開業から1か月内に県の税務署へ提出する必要があります。所得税・住民税に係る届出 ③所得税の青色申告承認申請書
提出タイミング:
控除額が最大65万円となる青色申告を選択する場合県税務署に提出です。開業後2か月以内
④消費税課税事業者選択届
提出タイミング:
この書類は該当者のみです。県税務署に提出です。
初年度の設備投資額の大きい個人事業者が、設備投資で支払った消費税の還付を受けるために必要です。低圧太陽光発電の購入に伴う還付を受けるために提出しました。
⑤青色事業専従者給与に関する届出書
家族に給与を支払う場合に必要です。こちらも該当者のみ作成です。
|開業届の書き方
作成した各種届出は、税務署や税事務所へ郵送・持参・専門ポストへの投函などが可能です。
それぞれについて、管轄の部署と電話で確認できたことを紹介いたします。
(わからない事は電話で確認が一番です)
埼玉県の場合、
①個人事業税の事業開始等申告書は直接、税事務所(北浦和)に提出か郵送で可能とのことでした。私は郵送を選択しました。
この書類に”青色”か”白色”を選択する項目があります。また、「屋号」の記載箇所があります。
青色申告については「65万円」の控除を受けられるので、“青色”を選択した方がよいです。しかし「65万円」の控除を受けることができるのは、事業所得がある人か「事業的規模」であることが条件です。
「事業的規模」とは簡単にはアパートを5棟もしくは1棟でも10室ある事が条件と言われています。
県税務署に確認してみました。
私の場合、一棟アパート(6戸)と低圧太陽光発電(50kw)1基では「事業的規模」とは言えないが、低圧太陽光発電2基であれば「事業的規模」とみなせますとの事でした。
「屋号」についてですが、結論として記載してもなくても良いとの事です。
法人と違って個人の運営ですので、どちらでも結構との事でした。
「屋号」は“〇〇会社”や“カンパニー”など、いわゆる法人会社と誤解されやすい表示はできません。
一方で、“〇〇カンパニー”で「屋号」を提出されている方もいると聞いておりますので、どうしても「屋号」に使い方は一度管轄の税事務所に問い合わせすることをお勧めします。
②個人事業の開業届出書には所得の種類の項目があります。
アパートは”不動産所得”、低圧太陽光発電は”事業所得”です。低圧太陽光発電の場合、フェンスで管理され、メンテナンスをしている状況が必須です。
そうでない場合は”雑所得”扱いとなります。
最近販売されている低圧は全てフェンス等の対応はされているので”事業所得”として届出して問題ないと思います。
③所得税の青色申告承認申請書に「備付帳簿名」というものがあります。
青色申告するために帳簿名を選択する項目です。埼玉県の県税務署に問い合わせましたが、なんでも良いですとの事でした。
可能性のある帳簿を選択くださいとの事でしたが、判断できないため複式簿記で必要と書かれている”総勘定元帳”、”仕訳帳”を選択しました。
(読み方も良くわかりませんが、開業に関する本に記載されていました)
因みに私は山端康幸さんの下記の本を参考にしました。
個人事業ではじめる アパート・マンション経営がぜんぶわかる本
④消費税課税事業者選択届は太陽光発電事業のように、消費税の収入がある方で、1000万円以上の収入がないにも関わらず、初期設備投資額が大きい場合(設備投資の消費税が売り上げの消費税より多い)、申請することで消費税の還付を受けられます。
ただし3期(3年間)は非課税事業者に戻れず、また3期後に「非課税事業者の届」を新ためて出さないと、売上の消費税はいつまでも取られっぱなしとなるので要注意です。3期についても記憶しておくしかないです。
この届出を確定申告と同時に提出し、「消費税還付」を今年しっかりと受け取りました。
その記事です。
|さいごに
不動産購入をお考えの方は、まずは セミナーに参加することをお勧めします。
不動産投資のメリット・デメリットをリアルに理解できます。
様々なセミナーに参加することで、自分の投資スタンスが自ずと決まっていきますよ。
はげみにしています