はじめに
買い取り価格が14円となった今でも、 ”空室リスクのない不動産”として太陽光発電投資は非常に人気があります。
実際に太陽光発電(50kw)を2基所有し,安定した収入を毎月得ています。
追記:
2018年、対シミュレーション95%を達成!
太陽光発電の収入の目途が立ち、2019年4月、サラリーマンを卒業!
気になる事ですが,資金なしで融資(ローン)を組んで太陽光発電投資をされる方が非常に多いことです。
手持ち資金なしで2000万円の太陽光発電を手に入れた!
この記事を見かけたりします。
信販であればたやすく融資は引けるので購入はできます。
しかし、事業性について十分に検討されたのかいつも気になっています。
シミュレーションでは200万円あればなんとかいけそうですが、
頑張って、300万円くらい自己資金は必要と考えています。
稼働中の太陽光発電のランニングコストを基に,ローンを使った場合の事業性について検証したいと思います。
是非、太陽光発電購入の参考にしてください。
【記事の内容】
|融資可能な金融機関と金利
サラリーマンが購入する太陽光発電は、1,500万円~2,500万円が多く,全てを自己資金でまかなえないため,金融機関の融資を受ける方が多くなります。
太陽光発電を購入する際の融資機関と金利です(2019年6月)。
①政策金融公庫 2.26%
②銀行 2.4%
③信販2.2~2.7%
通常、金利は①→②→③の順で高くなりますので,融資を受ける場合はこの順番で融資の可否を確認する事がセオリーとなります。
①公庫ですが、私も挑戦しました。融資を引くことは可能でした。
ただし「自宅担保」が条件のため、あきらめました。
②銀行ですが,メガバンクは「法人向け」の太陽光発電の融資には積極的ですが個人への融資は期待出来ません。
そのため,通常は地元で融資物件(太陽光発電)の近くの地方銀行が融資を引ける可能性のある銀行となります。
③信販については「アプラス」や「オリコ」などが有名ですが,サラリーマンであれば融資を受けることはさほど難しくありません。
融資の実行はしませんでしたが,実際に融資の審査を受け、数日で承認決定の連絡を受けました(勤め先確認のための電話があります)。
|融資を使った場合のCF
融資を受ける事が悪い訳ではありません。
これが大事です。
CF=売電収入-(ローン返済+税金+管理費等)
CF(キャッシュフロー)がしっかりプラスになれば、融資を受け太陽光発電に投資する事は問題ないと考えています。
自己資金が多い事に越したことはありません。
実際に稼働している低圧太陽光発電をモデルとして,
・太陽光発電 2,500万円
・土地賃貸、利回り10%
・融資(金利2.6%,17年)
についてCF(最終的に手元に残るお金)を紹介します。
自己資金 |
0 |
300 |
500 |
1000 |
2500 |
売電収入 |
250 |
250 |
250 |
250 |
250 |
ローン返済 (月額×12) |
180 |
158 |
144 |
108 |
0 |
償却資産税 |
18 |
18 |
18 |
18 |
18 |
所得税 |
8 |
8 |
8 |
8 |
8 |
土地(賃貸) |
12 |
12 |
12 |
12 |
12 |
管理費用 |
24 |
24 |
24 |
24 |
24 |
CF |
8 |
30 |
44 |
80 |
189 |
・償却資産税:1年目の目安です。年々安くなります。
・所得税:サラリーマン収入を含めた総所得の計算が必要ですが、
”経費”を活用しもっと少なくする事も可能です。
・管理費用:遠隔webシステム,緊急時対応,草刈り、保険を含む金額です。
|シミュレーションは厳しめに
まず,上記シミュレーションは厳しめには出しています。
“融資期間を延ばす”
“管理費用の低額な業者を見つける”
“経費を最大化する”
などによりCFは改善しますので,この結果が全てではありません。
2018年、8月と9月は例年の2倍の台風が上陸しました。
事業を行う上で、このような状態が続くと利回りは大きく低下する事も考慮しなくてはいけません。
そのため,シミュレーションは厳しめに算出し,最終的に”手元に残るCF”を出す事が重要です。
休業補償(売電停止時の補償)は通常保険でカバーされています。
しかし、太陽光発電では,10年ほどでパワコンの交換(1台30万円ほど)が必要です。
パワコンは10年間の保証はついてはいますが,3台稼働している場合10年後に90万円の交換費用は見積もった方が良いと考えます。
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|シミュレーションでわかる事
上記シミュレーションの最下段の“CF”をよく見てください。
<自己資金なし>
自己資金なし” 0円 ”では年間“ 8万円 ”しか残りません。
想定外の費用が発生した場合は別途資金が必要となるため、
投資しても事業性はないと判断した方が良いと考えます。
太陽光発電投資は“消費税還付”の手続きをすると、190万円ほどが返金されます。
2年間は課税事業者を辞められませんが、是非申請すべきです。
(2年間は売電収入の消費税分を支払うため、結果160万円が残るはずです)
この還付金を万が一の場合の費用と準備しても、自己資金なしではリスクが高すぎるため“事業性なし”と私は考えています。
2年目に約200万円(8万円+190万円)が残ります。
十分に運用できると判断される方もいるかもしれませんけど。
“消費税還付”の方法はこちらを参照ください。
<自己資金”300万円”>
どうでしょう。毎年“30万円” が残ります。
加えて、太陽光発電購入に伴い事業者となると、「減価償却費」のほかに事業に関係する費用は”経費”として計上できます。
そのため税務上(見かけ上)は赤字となり、確定申告によりサラリーマンとして既に支払った所得税の一部が還付されます。
毎年還付される所得税の金額は、サラリーマン所得にもよりますが、30万円(20万円~40万円)くらいだ思います。
また、消費税還付で190万円も返金されます。
つまり、2年目は
250万円(30万円+30万円+190万円)が手元に残ります。
業者や物件が違えば、管理費用などもっと安くなるかもしれません。
そのため、自己資金200万円でも今回と同様のお金が毎年残る可能性は十分あります。
自己資金300万円あれば、投資対象として十分!
還付金190万円に加え、
毎年60万円の収入が、最低、20年間続きます!
|太陽光発電と不動産のCF
太陽光発電は「一棟アパート」と違い,購入後は年々その価値が目減りします。
そのため,”20年間のキャッシュフロー(CF)”が全てです。
2,500万円の太陽光発電を購入するためには,300万円ほどの自己資金は必要である事がわかりました。
当然、自己資金のみで投資する事が“CFを最大化”する一番良い方法です。
「一棟アパート」も経営していますが、同じ2,500万円の投資先としてみた場合,
「一棟アパート」より「太陽光発電」の方が,年間のCFは1.5倍ほど良い結果となっています。
私の実体験から、
年間で手元に残る現金は太陽光発電であれば1.3~1.5倍になります。
《早い者勝ち》太陽光発電物件
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|さいごに
・太陽光発電の販売業者は自己資金なしでも融資が通る事をほのめかし,
購入する事を勧めますが,事業性は低すぎる。
・事前に厳しめのシミュレーションでCFを求めることで,購入後の不安は無くなる。
・自己資金をなるべく多く用意し,投資する際はCFを常に意識するようにする
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